調査士の便利な道具 紹介のコーナー


 このコーナーでは、土地家屋調査士が利用する道具を
紹介していきます。一般的な測量ツールに限らず、特殊な
道具にもスポットを当てていきます。



第21回 各社のトータルステーションを比較してみる その1


ながらく更新できずにおりましたこのコーナーですが、
お休みが長かったぶんだけ、今回の企画に力を入れています。

今回は、いままでありそうでなかった企画として、
調査士事務所で使用されているトータルステーションについて
メーカー毎の使い勝手を比べてみます。

ベテランの調査士であればあるほど、今更違うメーカーの機種を
使ってみようと思われることはほとんどないと思われます。
しかし、そんなベテランの方でも、現在お使いの機種に不満をお持ちの場合や、
これから調査士業を始めようとする方には参考になるのでは、と企画しました。

そこで、佐賀県調査士会員に実際に現場で使用されている器械を持ち寄って頂き、
測量業界でよく耳にするメーカー4社の製品を対象に比較を行いました。
機種の新旧やグレード、価格についてはバラバラであり、統一性はありません。
ちなみに今回比較する各機種の使用年数ですが、
S社・・・6年
T社・・・1年

L社・・・5年

N社・・・4年

となっています。このあたりの機種の新旧についてはおりおり触れていきますが、
読者の方は記憶にとどめておいていただけたら参考になると思います。
また、価格に付きましては、定価でほぼ150万円前後のものが多く、
L社製のみワンマン測量が可能なぶんだけ他の機種より高価でした。


一堂に会した各社のトータルステーション(なかなか壮観ですね)




各機種毎にデザイン・重量・バッテリー・ディスプレイ
起動終了・データ入出力・収納ケースのサイズ
について述べてみたいと思います。


S社は落ち着いた色合いから一見して玄人っぽい風格が感じられます。
大きさは、コンパクトにまとまっていて、ボタン配置もバランスがとれていますね。
アルファベットが1キーで入力できるところが魅力です。
また、F1〜F4のファンクションキーが操作性の向上に役立っています。
重量は「やや軽い」5.7Kg。
バッテリーは標準的なニッケル水素タイプ。
ディスプレイはモノクロで20字×8行。比較的大きな文字で見やすい印象です。
起動時間は7秒で、標準的。
起動時に上下左右に望遠鏡を振って0セットする必要があります。
終了時は2つのキーを同時押しが必要で、誤動作を防いでいます。
データは特殊なボタン電池による記録保持カード(128KB)を使用。
パソコン側には専用のカードリーダーが必要ですが、このカードは金属の
接触面のない特殊なもので、ゴミや頻繁な抜き差しによる故障対策が
なされています。高価な点が玉にキズ
収納ケースは33×44×25(センチ)で背負いベルトを常時使える
タイプ。頑丈そうですが、重そう。




次にT社は、他の機種に比べてひと回り大きいです。黄色も大変目立ちますね。
比較的新しい機械であるせいか、なめらかなデザインを感じさせます。
重量は「重い」6.5Kg。
バッテリーは高性能なリチウムイオン。ハイパワーで比較的軽いです。
画面は今回の中では一番大きく、しかもカラー液晶!でタッチパネル。
漢字も使用可能で(測点名には使用不可)、文字だけでなく絵による説明もあって
見やすさは一番ですね。
起動時間は7秒で、OSにWindowsCEを使用しているため、少し時間がかかります。
終了中にバッテリーをはずすと起動しなくなるということがありました。
起動時に望遠鏡を振って0セットする必要はありません。
終了時は1キーですが、ディスプレイから離れたところにボタンがあるため
誤動作の心配はなさそうです。
データはコンパクトフラッシュ(64MB)使用で、カード読み込みと
ケーブル転送の両方に対応し、さらにUSBによる読み込みにも対応です。
収納ケースは35×48×30(センチ)で大きめ。背負いベルトは使用時に
取り付けるタイプ。頑丈で、重いようです。




3番手のL社。これは、なかなか玄人に受けそうな感じです。
大きさは、4社の中で中間当たりです。
重量は「やや重い」6.1Kg。
バッテリーは標準的なニッケル水素タイプ。
ディスプレイは32字×8行で文字にカタカナも使用できます。
表示項目を自分の好みに変更できる点が面白いですね。
起動時間は6秒で、標準的。
起動時に望遠鏡を振って0セットする必要はありません。
終了時は2つのキーを同時押しが必要で、なおかつ終了方法の選択により
誤動作を防いでいます。
データはPCカード(ATAフラッシュ8MB)で、カード読み込みと
ケーブル転送の両方に対応します。最近は一般的なデスクトップパソコンで
PCカードの読み書きができないものが多いので、コンパクトフラッシュの
方が便利そうですね。
収納ケースは36×500×26(センチ)で背負いベルトはマジックベルト式の
特殊なもの。全面プラスチック製で軽いです。




最後にN社、これは、一番コンパクトにまとまって見えます。
漢字表記のボタンは数も少ないため、扱いやすそうです。
しかし機能的にはポイントを押さえてあり、小さいわりにできるヤツって感じですね。
重量は「軽い」5.5Kg。
バッテリーは標準的なニッケル水素タイプ。
画面は16字×4行と小さめです。カタカナ使用可。
起動時間は4秒で、高速。
起動時に上下方向のみ望遠鏡を振って0セットする必要があります。
終了時は1キーでディスプレイ上にボタンがありますが、確認の画面が出ることで
誤動作を防いでいます。
データは内部メモリ(容量不明)なので、ケーブルによる転送のみとなります。
収納ケースは38×48×23(センチ)で背負いベルトは使ったことがない
そうです。




さて、バッテリーの持ち時間に触れておきましょう。
仕事量により使用状況がばらばらで比較が難しいのですが、皆さん予備バッテリーを
準備して現場に出られているみたいで、バッテリー切れによるトラブルはないそうです。
充電に関しては、ニッケル水素のタイプでは、完全に使い切って充電するという点に
気をつけているということでした。このあたりは新しいタイプのバッテリーが良さそうです。



全体的な印象として・・・

S社は標準的で一番バランスがとれている印象です。
国産メーカーということもあって機能や動作にそつがないですね。

T社は扱い安さに重点が置かれ、親しみやすい感じです。先進機能も取り入れて
満足できる機種ですが、ちょっと大きくて重いですね。


L社は海外製の変わり種。操作するにはやや取っつきにくい感じがしますが、
慣れると良さが分かってくるタイプ。独特な印象があります。


N社は意外性があります。見た目のシンプルさとは裏腹に、扱い安さや
隠れた高機能が驚きを与えてくれます。



次回は各機種を実際に据えてみて、
その使用感をお伝えします。





会員の方(または一般の方!?)で,
便利な道具を使っている、
珍しい機械を持っている、
他の会員にもお薦めしたいもの、

などがありましたら、是非、調査士会の方まで御一報下さい。