ワンマン測量機のシステム
トータルステーション本体
本体重量は約6s。モーター駆動のため、一般的なトータルステーション
よりもやや重めである。キーボードは30ものボタンを配置し、液晶の表示
部は8×24文字とかなり広めである。好みにもよるだろうが、こういった
ところは非常に豪華&複雑な造りである。
整準盤はシフト式ではなく、脱着式(レベルでよく使われているタイプ)
である。シフト式に慣れていると最初は戸惑うが、これも慣れれば問題ない。
というか、後述のレーザー求心装置によりシフト式よりもこちらの方が機械
を据えやすいと感じるくらいである。
観測記録は本体内部のメモリーではなく、PCカード(SRAMもしくは
フラッシュATA)で行う。このカードはノートパソコンのカードスロットに挿して
使用することのできるもので、カードの容量に応じて記録できる点数が変化
する。ちなみに8MBのカードを使用した場合、30の現場を登録できる。
点数は・・・果たして何点記録できるのだろうか。カタログを見てみると
2MBで18000と書いてある。とすると、8MBで72000点。
とてつもない点数を記録できることは確かである。
パソコンとのデータ送受信は、このカードをノートパソコンやカードスロッ
トのあるパソコンに挿して行う方法の他、本体にRS232Cのケーブルを
接続できるので、これを利用する方法もある。ただしケーブル接続の利用は
カードに比べて速度的にかなり遅くなる事から、今のところほとんど行ってい
ない。以前はケーブル接続によるデータ転送方法が複雑でわかりにくかった
が、現在ではかなり改良が進んでいて、スムーズにデータ転送ができるよう
になっている。
その他、ノンプリズム測距機能、EGLガイドライト、レーザー求心装置、
エンドレススクリュー(ねじの行き止まりがない)、などの機能を搭載して
いるが、これについては別頁で詳しく述べる。
三脚
本体の欄でも触れたように、整準盤が脱着式であるため、それ用の三脚
が必要となる。セールスマンの話によると、本体が自動で動くことから、
なるべく「たわみ」や「よじれ」の少ない三脚の使用が理想的、ということで
ある。で、この三脚は木製。これは重い。長時間は担ぎたくない代物である。
面白いのは、セルフクローズ機能がついていること。これは、一般的な三脚
は収納するときに足先をベルトなどで固定するが、これはそのベルトが不要で、
脚を揃えて一番短い状態にすることで脚先を自動的に固定するといった機能
である。収納時にちょっと楽。
ミラー(プリズム)
ミラーは一般的なミニプリズムの使用が可能。というか、幾つかのミラー
のタイプをあらかじめセットしてあるので、そこから選んで使うだけである。
(プリズムの定数を任意に設定することも可能)
問題なのは、人と機械ではミラーの捉え方が違う、ということである。水
平角を測る場合において、人間が測る場合はミラーの中心ではなくピンポー
ルの中心を捉える。しかし、機械の自動視準では、あくまでミラーの中心に
セットするのである。すなわち、ミラーが機械の方向をきちんと向いていな
い場合には、水平角に誤差が生じることとなる。この誤差は機械とミラーの
距離が近づくほど大きくなり、遠くなれば小さくなる。具体的にはミラーの
定数が30oの場合で、最大で約2p前後の水平方向の誤差が生まれる
訳だ。ミラーをきちんと機械の方向に向けていれば無視できるくらいの誤差
だが、これが気になる場合には、定数17.5o前後のミラーを使うと良い。
これだとミラーがきちんと機械の方向を向いていなくても中心は常にポール
の真ん中に合っているからだ。しかし、このタイプのミラーは、高さを変える
ときには必然的にポールの継ぎ換えを行うしかない。ポールの中心にミラー
があるため、ねじをゆるめて上下にスライドさせることはできないのである。
スライド可能なミニプリズムに慣れた方には、これはとても我慢できないだろう。
ただ、観測を行いながら、同時にレベルも取ろうする場合には、高さが一定
のミラーの方がやりやすい面もある。どちらを選ぶかは好みの問題か。
ちなみに、現在は両方のミラーを現場に応じて使い分けている。賢明な
読者は、定数の違うミラーを使ったら、間違いを起こしやすいのではないか、
と思われることだろう。しかし、測距時に液晶ディスプレイの表示部分に
ミラーの定数を表示させる設定にしておけば、間違いは防ぐことができる。
これはミラーの定数を常に表示するのではなく、測距時の1秒程度の間だけ
表示するのである。それで間違いを防げるのかと疑問に思われるかもしれ
ないが、この測距時はきちんと測れているかどうかをチェックするために
どうしてもディスプレイを凝視する時間である。今、ミラーの定数はいくら
なのかは嫌でも目に入ってくる。
当然のことながら、ミラーの選択は現場によって行うのであり、1つの現場
で2種類の定数のミラーを使うことはしていない。これをやると本当に間違いを
起こしてしまうからだ。ちなみに定数17.5oのミラーは、スペーサーを入れる
ことにより定数30oとして使用することもできるので買っても損にはならない
だろう。
今のところ、視通の確保が安定(ミラーの高さを変えなくてもよく見える)して
いる時や、前述の左右の誤差があっては困る場合、高さも同時に記録したい
場合には定数17.5oのミラーを使用し、それ以外の場合には定数30oの
ミラーを選択している状態である。
リモコン送受信機
トータルステーション本体にはリモコン受信機は内蔵されておらず、外部
にケーブルにて接続する必要がある。これは三脚のフックに掛ける形で設置
する。
送信機(コントローラー)はトータルステーション本体の液晶とキーボード部分
をそのまま取り出したような形状。というか全く同じ。これにより遠隔操作を行う
ことで本体を操作するのと同一の効果を得るのである。
コントローラーは裏側にバッテリを装着し、使用時はソフトケースに入れて、
胸の前で操作できるように、ちょうどリュックサックを反対に背負うようにして使う。
重量もそこそこあり、変則的な前傾姿勢になりやすい為、お世辞にも楽だとは
言えないが、通常の測量では我慢できるくらいの負担である。人から見られ
るとちょっと恥ずかしいくらい不格好なところが最大の難点であろう。
バッテリー
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リモコン&自動視準&ノンプリ、と立て続けに電気を喰いそうな機能が目白
押しのこのシステム。当然通常のバッテリーでは心許ないようだが、リモコン
不使用時では意外にも本体内蔵のバッテリーだけで2時間程度は使用が
可能。標準で2個のバッテリーが付いているので、まずまずといったところ。
だが、リモコン操作を行うとなると話が変わってくる。本体内蔵のバッテリー
ではリモコン受信機に電源を供給することができないので、外部にリモコン用
のバッテリーを必要とするのである。小さなバッテリーをいくつも使うのは
好ましい状況とは言えないので、大型外部バッテリーも用意されている。
これを使用すると何と連続8時間の動作が可能になり、1日測量しても大丈夫
なのだが、これが大変重くて高価。改良の望まれる部分である。